本文へ
病態図鑑
消化器
2
内分泌
4
代謝
2
膠原病
2
このサイトについて
病態図鑑
›
膠原病
膠原病
2 図
SLE治療: GC曝露をどう最小化するか
上段はGC用量の時間経過(中等症〜重症ではメチルプレドニゾロンのパルス125–1000 mg×1–3日を先に置き、経口GCの初期量は臓器病変の重症度で決め、維持量5 mg/日以下へ減らして中止を目指す)。下段左のヒドロキシクロロキンは全例の土台で、再燃を防ぐことでそもそもGCを増やさない。下段右の3群は並列の選択肢で、投与の順番ではなく病態に応じて選び、GCの減量を可能にする。2つの経路はそれぞれ独立に上段のGC用量へ向かう。
SLE治療 — GC曝露をどう最小化するか
治療の主語は「何を足すか」ではなく「グルココルチコイド(GC)をいかに使わずに済ませるか」
グルココルチコイド(PSL)の用量
時間 →
パルス(中等症〜重症)
mPSL 125–1000 mg×1–3日
経口GCで寛解導入
初期量は臓器病変の重症度で決める
維持量 ≤5 mg/日へ
(プレドニゾロン換算)
中止を目指す
EULAR 2023に明記
そもそもGCを
増やさない
GCの減量を可能にする
寛解導入したGCを落としていける
全例の土台
ヒドロキシクロロキン
(HCQ)
疾患活動性にかかわらず
全例に投与する
再燃を防ぐ
寛解を維持する
GCを早期に減らせる
生命予後を改善する
▲ HCQ網膜症
視力障害が出た時点で不可逆.
目標 5 mg/kg実体重/日 を守り,
定期的な眼科スクリーニングを行う
GCを減らすための道具
3群は並列 — 投与の順番ではない
上から順に足すという意味ではない. 病態に応じて選ぶ.
免疫抑制薬
IVCY(導入) → AZA(維持)
MMFは導入・維持の両方で確立
軽症のセカンドラインにも拡大
カルシニューリン阻害薬
ボクロスポリン(腎病変)
細胞分裂を直接抑えないため
血球減少例で使いやすい
生物学的製剤
ベリムマブ(抗BLyS/BAFF)
アニフロルマブ(抗I型IFN受容体)
効く病態が異なる → 個別化
略語
SLE: 全身性エリテマトーデス / GC: グルココルチコイド / PSL: プレドニゾロン / IVCY: シクロホスファミド間欠静注療法 / AZA: アザチオプリン / mPSL: メチルプレドニゾロン
MMF: ミコフェノール酸モフェチル / HCQ: ヒドロキシクロロキン / BLyS(BAFF): B細胞活性化因子 / IFN: インターフェロン / EULAR: 欧州リウマチ学会
※ 腎病変の支持療法(RAAS阻害薬・SGLT2阻害薬・スタチン・骨粗鬆症対策)は別図 kogen-03 で扱う
膠原病
SLE治療
GC曝露をどう最小化するか
SLE
治療
グルココルチコイド
ヒドロキシクロロキン
SLEの分子標的薬: 同じ増幅ループの、どこを止めるか
免疫複合体が形質細胞様樹状細胞のTLR7/9を刺激してI型インターフェロンを産生し、それがB細胞とT細胞をさらに活性化して自己抗体を増やす増幅ループを描く。ベリムマブはBLyS/BAFFを、アニフロルマブはI型IFN受容体を、リツキシマブはCD20陽性B細胞を、ボクロスポリンはT細胞のカルシニューリンを阻害する。前3者は生物学的製剤、ボクロスポリンだけカルシニューリン阻害薬で、図では薬剤の色がその区別を示す。各ノードには細胞・分子の模式図を添えてある。
SLEの分子標的薬 — 同じ増幅ループの, どこを止めるか
4剤が混同されやすいのは, どれも一つの増幅ループに作用するから. 違うのは止める場所だけ.
免疫複合体
核抗原 + 自己抗体
形質細胞様樹状細胞
TLR7/9 で核酸を感知
I型インターフェロン
IFN-α / IFN-β
I型IFN受容体(IFNAR)
炎症・臓器障害
B細胞(CD20陽性)
生存・活性化 / ■ = CD20
形質細胞
自己抗体を産生
BLyS / BAFF
B細胞活性化因子
T細胞
カルシニューリン→NFAT→IL-2
取り込み
産生
受容体へ結合
さらに活性化
分化
自己抗体が
複合体を作る
増幅ループ
共刺激・IL-2
アニフロルマブ
抗IFNAR抗体
リツキシマブ(抗CD20)
ベリムマブ
抗BLyS/BAFF抗体
ボクロスポリン
カルシニューリン阻害薬
薬剤の阻害点
生物学的製剤(抗体)
カルシニューリン阻害薬
シクロスポリン誘導体
リツキシマブはRCTでは有効性を示せず,
本邦は2023年8月に公知申請等を経て
ループス腎炎へ承認
略語
SLE: 全身性エリテマトーデス / TLR: Toll様受容体 / IFN: インターフェロン / IFNAR: I型インターフェロン受容体 / IL-2: インターロイキン2
BLyS: B細胞刺激因子 / BAFF: B細胞活性化因子 / CD20: B細胞表面抗原 / NFAT: 活性化T細胞核内因子 / RCT: ランダム化比較試験
膠原病
SLEの分子標的薬
同じ増幅ループの, どこを止めるか
SLE
分子標的薬
ベリムマブ
アニフロルマブ